住乃井が極める山廃仕込み
清酒の原料である米、米麹、水の中でアルコール発酵を担う優良な酵母を培養したものを「酒母」または「もと」と言います。酒母造りにおいては、有害菌を死滅させ、酸味を与えるために乳酸を加えますが、現在大半の酒造会社が採用している「速醸もと」では工業製品の乳酸を添加するのに対し、住乃井が採用する「山廃もと」では生きた乳酸菌を酒母に加え、乳酸を作り出します。
山廃もとでは、速醸もとに比べ、乳酸による酒母の酸性化がゆっくりと進み、その過程で清酒のうまみ成分となるアミノ酸が豊富に生み出されます。また、アミノ酸は酵母の栄養源ともなるため、優良で活性の高い酵母を多量に培養することができます。住乃井は、高度な微生物管理技術、工程管理技術により、これらの特長を最大限に活かし、濃醇で奥深いうまさを持ちながら山廃特有の酸味がきりりと味を引き締める絶品の山廃仕込をお届けします。
住乃井が編み出した独自技術「高温山廃」
山廃もとは通常、低温(7〜9度)で仕込み、徐々に温度を上げながら約3週間かけて酵母を純粋培養します。この過程では、高度な微生物管理が継続的に必要とされます。住乃井では、7代目当主が高温山廃を考案し、期間の短縮と省力化、微生物の安定管理を実現しました。この方法の特徴は、55〜60度の高温で仕込み、酵母が増殖する条件を早期に作る点にあり、約2週間弱で酒母としての使用が可能となります。また、期間短縮を実現しながらも、豊富なアミノ酸生成、生存能力と活性が高い酵母の培養という山廃の強みはしっかりと保っています。
酒造りには謙虚さが必要です。「うまい酒は人間が作るのではなく、大いなる自然の力が創る」。だから「酵母の気持になって考える」。高温山廃はこの基本精神のもとでこそ生み出し得た技術だと自負しています。住乃井は、高温山廃と伝統的な山廃を酒質に応じて使い分け、個性溢れる商品群を造り続けます。
長期熟成酒
その酒は選ばれし濃醇の吟醸酒。常温で貯蔵された住乃井の長期熟成酒です。なぜ、低温ではなく常温なのか。「成分の多いやんちゃな酒ほど、ゆさぶりが生きる」からです。夏は暑く、冬は寒く。ゆさぶり、つまり温度変化は酒に確かな年輪を刻みます。その年輪が個性を決めるのです。3年を過ぎ、5年、7年と経て、その色はだんだんに濃くなります。やがて、7年から10年経つと、むしろその後色が澄んでくる不思議。ただ単に時間の長さが問題なのではありません。長期熟成に耐え、同時に頂点を高めていける酒質のしっかりとした設計がなければならないのです。今、住乃井には1989年から 1998年までの長期熟成酒が蔵の中で眠りから起こされるのを待っています。琥珀色に輝く液体に、あなたはどんなロマンを夢見るでしょうか。
日本酒の製造工程
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- 玄米の外層部の清酒の風味を落とす成分を削り落とします。
- 精米した白米の表面についた糠を洗い落とし水につけて吸水させます。
- 吸水させた白米を、十分に水切りをしたうえで、麹菌が繁殖しやすくなるように蒸します。
- 蒸米に麹菌の胞子をつけます。蒸米は2日ほどで麹菌に覆われます。
- 酒母は酵母を大量に培養し麹と蒸米も加えます。麹菌はデンプンを糖に変え、酵母はその糖をアルコールに変えます。
山廃仕込み |
酒母(もと)づくりは工業製品の乳酸を添加する速醸系酒母が主流を占めますが、山廃仕込みでは、生きた乳酸菌を使用して乳酸を生じさせます。
山廃仕込みでは、アミノ酸成分が豊富になり、生もと系特有の香りと濃厚で芳醇な味わいの本格的な酒ができます。 |
- もろみは酒母に蒸米と麹菌、水を加えたものです。もろみの仕込みは3段階に分け4日かけて行います。これを3段仕込といいます。
- 仕込みの終わったもろみを約20日間発酵させます。
- 発酵が終わったもろみを圧搾機にかけて酒粕と原酒に分けます。
- 搾られた原酒の不純物を沈殿したときにタンクから抜き取り、さらにペーパーフィルタなどを用いて濾過を行います。
- 濾過の終わった原酒を殺菌や品質の劣化を防止するため60〜65度で加熱します。
- 火入れを終えた清酒をタンクで貯蔵・熟成させます。一夏を過ごした秋頃に味がまろやかになります。
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